ホンダ S2000 【プレイバック試乗記】
2009/02/16
※この記事はカーセンサー関東版32号(2000年8月31日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
神経を張りつめることなく、ワインディングを駆け抜ける
↑予想以上にドライバーの意思通りに曲がる感覚が得られていたVGS(左)リアにVGS専用エンブレムが付く。ソフトトップカバーはオプション(右)
ホンダは前からVGS(車速応動可変ギアレシオステアリング)を研究しており、S2000に初搭載することも決まっていた。もう少し早い時期にタイプVを追加する予定だったが、S2000が予想以上の受注を得たため発売が延びていた。
でもその分、新機構ステアリングもS2000自体の熟成もより進んで、優れたものに仕上がってきた。このタイプVに採用されているVGSとは、車速と舵角に応じてステアリングギアレシオをクイックとスローに無段階可変する機構のことだ。
ノーマル車と見た目で違うのは、下部がフラットで全体ではD字形のように見える変形ステアリングホイールを採用している点。かつて実験車では航空機のような左右T字形のバーステアリングを採用していたことを思えばかなりフツーになったともいえるのだが、ロック・トゥ・ロックは1.4回転しかない。とはいえ、それでも1回転以上回すことはままあるわけで、大きく切り込むステアリング操作時には多少妙な感じがする。
ステアリングの剛性感は高く、しっかり感も備わる
↑これがVGS専用ステアリング。また、オプションで赤と黒の本革シートが選べる(左)基準排出ガス50%低減を達成し、「優ー低排出ガス車」に設定されている(右)
一方、走りそのものはかなり練り込まれた感が伝わる出来だ。ステアリングの剛性感は高く、しっかり感が備わる。低速では少ない舵角でスーと向きを変えるが、それが日常域では不自然に感じさせることはない。高速になるに従い中立付近からの操舵では落ち着きを増して、レーンチェンジなども自然に動く。心配したワインディングは、予想以上にドライバーの意思通りに曲がる感覚が得られていた。初期のS2000よりもスタビリティを増したシャーシチューニングと相まって、ピリピリと神経を張りつめる必要も薄れていた。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | タイプV |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | 6MT |
全長×全幅×全高(mm) | 4135×1750×1285 |
ホイールベース(mm) | 2400 |
車両重量(kg) | 1260 |
乗車定員(人) | 2 |
エンジン種類 | 直4DOHC |
総排気量(cc) | 1997 |
最高出力[ps/rpm] | 250ps/8300rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 22.2kg-m/7500rpm |
10・15モード燃費(km/L) | 12.0 |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/50 |
車両本体価格 | 356.0万円 |
斉藤慎輔の責任採点
コンセプト | 5点 | 取り回し | 3点 | 加速性能 | 4点 | ブレーキ性能 | 4点 |
フィニッシュ | 4点 | 操作系の使い勝手 | 4点 | 乗り心地 | 3点 | 環境対策 | 4点 |
前席居住性 | 4点 | ラゲージルーム | 3点 | 操縦安定性 | 4点 | 燃費 | 4点 |
後席居住性 | ー点 | パワー感 | 5点 | 高速安定性 | 4点 | ステータス | 5点 |
内装の質感 | 3点 | トルク感 | 3点 | しっかり感 | 5点 | コストパフォーマンス | 4点 |
得点合計 | 72/95 |
ホンダ S2000 【プレイバック試乗記】/試乗レポート
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