’80 ALFA ROMEO SPIDER 2000 VELOCE
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / VINTAGE EDGE
2013/06/27
この美しいデザインは現代では再現できないだろうな
2000スパイダーは直線的なカムテールと呼ばれるデザインが与えられたモデルで、2000スパイダー ヴェローチェは1971年に追加された。他にも1600㏄版の1600ジュニアなども登場し、モデル後期には日本への正規輸入も行われていた。
徳大寺 旧い車にはいい季節になってきたな。今が窓を開けて走るには最高の季節だよ。
松本 春と初夏はまさにヴィンテージエッジに登場するモデルが活き活きとするシーズンですね。今回はそんなシーズンにもってこいのモデルにしてみました。
徳大寺 そうか。車はなんだい?
松本 巨匠がひいきにしているアルファロメオの2000スパイダーです。
徳大寺 2000スパイダーか、いいな。1970年代ということはピニンファリーナだな。アルファロメオは初めて買う外国車なんかにもいい車だと思うな。丈夫だし。
松本 巨匠はアルファロメオを悪く言ったことはないですよね。何台か新車で購入されたんじゃないですか?
徳大寺 4台新車で買って乗ってたよ。リアにトランスミッションを積んだアルフェッタや今回見に行く2000スパイダーと同じエンジンを搭載した2000ベルリーナとか。
松本 今となってはなかなか見られないモデルですね。僕もアルファロメオは新車こそ買ったことはありませんが、ジュリエッタスプリント1957年、スプリントGT1965年を持っていましたから、旧いアルファロメオはおおよそわかりますよ。昔のアルファロメオは何といってもエンジンやサスペンションのメカニズムの質がとてもいいんですよね。
徳大寺 何たってアルファロメオは、戦前はグランプリカーなどのレーシングカーを本気で作っていたからね。今ではそのような雰囲気には見えないが、そういう歴史は脈々と流れているんだ。そういった意味ではフェラーリやマセラティとなんら変わりはないと思うよ。
松本 だからアルファロメオ、特に古いエンジンは技術的にも見るべき点が多いですよ。エンジンはオールアルミブロックですからね。しかもDOHCで、バルブタイミングなんかは量産車にもかかわらず細かく調整できたんです。僕も自分好みのバルタイにして特性を変えてました。
徳大寺 今回見に行く2000スパイダーはピニンファリーナによるデザインで、ボディの生産ラインもトリノのピニンファリーナの工場で作られていたんじゃないかな。
松本 50、60年代のピニンファリーナの工場の写真を見るとランチアやフェラーリ、アルファロメオが混在していて驚きますよね。名だたるモデルと同じラインで運ばれているなんて、なんだか嬉しいじゃないですか。
徳大寺 ヨーロッパは馬車の時代からボディを製造する架装メーカー(カロッツェリア)が結構な数あるんだよ。だからそんなことが起きるんだろうな。ところでアルファロメオ2000スパイダーはコーダトロンカタイプだよな。映画「卒業」のボートテールと呼ばれたスパイダーデュエットのリアをスパッと切った。
松本 そうですね。スパイダーデュエットのスタイリングはピニンファリーナでは1958年に構想としてあったそうなので、8年後に量産車として反映されたことになります。その後、1970年にリアを切ったコーダートロンカのカムテールにして、1993年まで生産されました。
徳大寺 着いたぞ。おー表に出てるよ。こりゃ程度がいい。しかもヨーロッパ仕様じゃないか。ライトカバーが付いてるもんな。キャレロ製だよ。イタリア車はこういったところにグッとくるんだ(笑)。朱色が入ったピニンファリーナレッドは間違いなくオリジナルだ。
松本 確かにこれは程度がいいですね。前オーナーのセンスが良かったのでしょう。直し方がオリジナルに準じているし変な改造をしていない。こういう車を買えば愛着が湧きますよね。エンジンルームもいい感じです。定期的に手を入れていた感じが伝わってきます。
徳大寺 この手の車は前のオーナーがどういう人で、きちんと整備していたかどうか、それが大切なんだ。大切に扱われた中古車はオーナーの雰囲気が車に反映されているんだよ。だから多少高価であってもきちんと整備していた車を買うべきだ。特にスポーツカーは扱われ方で全く違う車になってしまう。もう、この手のモデルは生産することが難しい。だからこそ購入する人は大切に扱って次の世代に伝えてほしいものだな。
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