ミニ クラブマン
写真上はミニ クラブマン。100万円台の物件もあるにはあるが、基本的には新車価格とさほど変わらない200万円台半ばという相場をひたすらキープしている。写真下のジープ ラングラーアンリミテッドも、若干の値落ち傾向をやっと見せ始めたが、それでも相場の中心は依然として290万円以上。こういった車は手頃な価格になる頃には旬を過ぎている可能性もあるので、どうしても欲しいならば旬なうちにエイヤッと買ってしまったほうが結局は賢いだろう
ジープ ラングラー・アンリミテッド
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なかなか値落ちしないあの車、「買い」の正しいタイミングは?

「世の中お金がすべてだ」という意見に若干の反発を覚えるように、「中古車は安さがすべてだ」と言うと反発もくらうだろう。が、いま一度考えていただきたい。同じ型の新車よりも高い中古車が仮にあったとして、あなたはそれを買うだろうか? 「新車の納車は1年待ち!」みたいな状況がない限り誰も買わないだろう。そういった意味で中古車とは安くなければ意味がない商品であり、多くの者は「いい頃合いまで値落ちしたら、あの車を中古で買おう」的に考えている。

値落ちしたら、買う。それは正しい選択ではあるが、しかし例外もある。「なかなか値落ちしない車」についてだ。

例えば、そのデビュー以来なかなか相場が大きくは下がらないミニ クラブマンや現行アウディ A4、ジープ ラングラーのアンリミテッド、プジョー RCZ、あるいは失礼ながら大して売れてなさそうなのになぜか相場が崩れないVW シロッコやアルファ ブレラが欲しい場合、われわれはそれをいつ買うべきなのだろうか。手頃な価格になるのをひたすら待つ? それともやや割高を承知で今すぐ買う?

乗りたい車に乗れないストレスという「隠れコスト」を忘れずに

個々の人生観やおサイフ事情と密接に絡む問題であるため「絶対の正解」というのはないが、不肖わたしが考えるのはこうだ。

「欲しいなら、今買え!」

・・・これは何も小生得意の精神論だけで言っているわけではない。損得勘定的にも、欲しいならば今買ったほうが断然おトクなのだ。

説明しよう。車購入に関する「コスト」というと、人は車両価格やそれに伴う諸費用、そして購入後のいわゆる維持費のみで考えがちだが、「乗りたい車に乗れないストレス」というのも立派なコストのひとつである。また、「値落ちを待ってようやく手に入れましたが、その車の旬は過ぎてましたわ。トホホ・・・」という切ない気持ちも、人生におけるかなりのコストだ。そういった部分のコスト計算をせずに購入計画を立て、高いの安いのと言うのは、白モノ家電的な日本車ならばいざ知らず、趣味性の高い車においては完全にナンセンスなのだ。

・・・ここまで自分で述べていて思ったが、見出しをちょっとだけ間違えたかもしれない。「なかなか値落ちしない車」ではなく、「死ぬほど欲しい車が、たまたまなかなか値落ちしない車であった場合」は、四の五の言わずに今すぐ買ったほうが結局はおトクなのだ、という話である。そこまでの気持ちがない場合は、時期をうかがうのもまたおトクな選択かもしれない。

ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
まだちょっと高いけど、本当に欲しいならコレいっちゃいましょう!


文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE